ー紅虎ー 壱




騒がしい音が耳に入ると同時に、隣に同じ様に立っている紘の纏っている空気が一変した。


紘怒らせると、怖いんだからね。

あたし、怒られても知らないから。



「紗羅さん、呼んだら入って来てくれますか?俺、ちょっと黙らせてくるんで」


意味深な笑顔と共に、あたしの返事も聞かないで教室の中へと入っていった紘。


まー、いっか。



紘が教室に入ったのも気付いていないのか、一向に声が収まる気配はない。


ガンっ!!


すると、聞き慣れない音と共に今までとは比べものにならないぐらい静かになった。


「…てめぇら、俺の声も聞こえねぇのか。あ”ぁ?」


これは、紘が完璧キレたときに出す声。

いつぶりだろ、この声聞くの。


なんて、思うと懐かしくて少しわらいそうになった。