ー紅虎ー 壱




…会いたくない。


「なら、あたし行くね」


担任と会うくらいなら先に教室へ行った方がよっぽどましだ。


そう言って、足早に出て行こうとしたとき、ほぼ同時にここの扉が勢いよく開いた。


…チッ、遅かったか。


あたしは扉に背を向けできるだけ顔を見せないように下を向いた。


「ちょっ、琉二さん!30秒は流石にキツイっすよ!つか、俺今授業中なんスけどー!」


入ってきてそうそう、琉ちゃんに文句を言い始めた。


「…遅ぇ。どうでもいいけどよ、紗羅連れてってやれ」

突然あたしの名前を出した琉ちゃん。


「ちょっ!勝手に決めないでよ。あたし1人でいけ「紗羅さんっ!??」


る……え?

最後まで言えることなく、あたしの言葉に被せて来たのは文句野郎。


しかも、初対面で下の名前で呼ばれるし…


少し腹が立って、この文句野郎が来て初めて顔を見た。