「やっぱり!さしぶりだな!」
あたしが口にするといきなり満面の笑顔を浮かべた。
「…だれ」
基本、家族と知り合い以外には冷たいから何の感情もないまま、そう口にする。
今でも、男の人を見ると“あの人”とかぶって見えてしまうから心なしか体が震える。
あたしは、理事長と一定の距離を保ちながらそう言った。
「まぁ、忘れてても仕方ねぇか。…琉二(リュウジ)だよ」
りゅう、じ…?
名前を聞いて、今まで出会った人物の名前を必死に思い出す。
え…?まさ、か。
「…琉、ちゃん…?」
恐る恐る、あたしがそう言うと理事長は
「おぉ。さしぶりにその呼び方聞いた」
そう言って満面の笑顔をまた浮かべた。
