…コンコン この音であたしは深い眠りから 目覚めた。 「…んー」 まだ完全に起きていない体を 無理に動かした。 あたしの小さな声を聞き取ったのか あたしの部屋をノックした人物が 中へと入ってきた。 「紗羅。学校行かねぇのか?」 ベッドに座っているあたしに近付いて 頭を撫でてきた。 「…行く」 あたしはそう言いながらベッドから重い体を起きあがらせた。 そして一緒にリビングへと続く廊下を歩く。 あたしを起こしにきたのは あたしのお兄ちゃん、赤月 龍弥(アカツキ タツヤ)。