忘れ去られたキオク




いつものように椎菜の家に行って、何も進展がないまま、諦め半分で教会に戻ろうとしたとき。



...あ、椎菜だ。



噴水広場の前方、あまりにもキョロキョロしすぎて、不審者のような椎菜を見つけた。



近付こうとした瞬間。



まるで、バチッと音が鳴ったように、椎菜との視線が重なった。



「シ...!!」



名前を呼ぶより早く、椎菜は俺に背を向ける。



そこで、やっと気が付いた。



...たまたまなんかじゃない。



俺、避けられてるんだ。