忘れ去られたキオク




あたしはもちろん、エルネストも、過去のあたしたちさえも静かになった、そんな錯覚を覚えた。



シンと静まり返ったと思うと、それが嘘かのように、キャーキャーと騒ぐ、過去のあたしたち。



それを合図にしたように、あたしの脳も必死に動いて、さっきの言葉の意味を理解しようとする。



...あたしは。


嫌な過去を全て忘れてしまっている...。



「ごめん、意味が分からない...」



「...そうだよな。いきなりこんなこと、言われてもな」



エルネストが困った顔をした。



突然、その顔が歪んで。



過去のあたしたちの声が、だんだんと遠くなった──...。