「エントランスで待ってろ。
家まで送るから」
あたしが驚いて振り返ると、部長はソファの背にかけてあったスーツに腕を通しながら言った。
「車だから遠慮するな。
傘持ってないんだろ?」
なんで知ってるの?
眉をひそめかけてハッと気付く。
さっきフロアに残ってるのは一人だと思って、天気予報がはずれたことをぼやいたけど、あれを聞いてたの?
仮眠するって言ったのは、もしかしてあたしが終わるのを待っててくれたの?
「でも…」
あたしの歯切れの悪い返答に、部長は溜息をつくと、
「警戒するな。
お前に手を出す程、飢えてない」
あたしの横を通り抜けざまに、頭をポンと叩いた。
いえ、部長なら送り狼になってくれても一向に構わないんですけど。
そんなことを思いながら、あたしは部長の背中を見つめた。
家まで送るから」
あたしが驚いて振り返ると、部長はソファの背にかけてあったスーツに腕を通しながら言った。
「車だから遠慮するな。
傘持ってないんだろ?」
なんで知ってるの?
眉をひそめかけてハッと気付く。
さっきフロアに残ってるのは一人だと思って、天気予報がはずれたことをぼやいたけど、あれを聞いてたの?
仮眠するって言ったのは、もしかしてあたしが終わるのを待っててくれたの?
「でも…」
あたしの歯切れの悪い返答に、部長は溜息をつくと、
「警戒するな。
お前に手を出す程、飢えてない」
あたしの横を通り抜けざまに、頭をポンと叩いた。
いえ、部長なら送り狼になってくれても一向に構わないんですけど。
そんなことを思いながら、あたしは部長の背中を見つめた。