その瞬間、昨日の小泉部長の言葉がよみがえる。


『お前と一緒にするな』


葛城主任は中身もいい女だけど、あたしは外見だけ。
和田さんに振られたことよりも、小泉部長と同じ評価を受けたことにショックを受けていた。


和田さんも、部長も、どうしてあたしじゃ駄目なのだろう。
あたしはこれからどうしたらいいの?


「気持ちは嬉しいけど、応えられない。
本当にごめん」


深く頭を下げてそれだけ言い残して去って行く和田さんに、もう涙さえ出なかった。


あたしは今まで、どれだけ自分の外見に自惚れていたんだろう。
かわいいと褒めちぎってもらうのが当たり前で、恋愛なんてちょろいと思ってた。


和田さんのようにつれない相手だって、身体を使って迫れば最終的には上手くいくと思ってた。


だけど違った。
外見を磨くのに必死になっていた空っぽのあたしは、今まで恩恵を与えてくれた外見にとうとう愛想を尽かされたんだ。