部長とあたしの10日間

「試してからって、何言って…」


「───恋人を顔で選んでも良いなら、身体の相性で選んだっていいじゃないですか」


和田さんが面食らってる。
それもそのはず。
だってあたしは、彼の前ではずっといい子の振りをしていたから。


だけど本当のあたしはこっち。
和田さんを手に入れるためなら、葛城主任から寝取るのだって構わない。


「この間は、その気になってくれましたよね?」


和田さんはあのとき絶対、酔ったあたしとホテルに行こうとした。


「あたしの誘いに乗りかけてたのに…」


和田さんは気まずそうに視線を逸らす。


悔しい。
あのとき葛城主任から電話さえなければ、あたしたちはきっとあの夜一線を越えていたのに。


「あの日すっぽかしたお詫びがしたいって言うなら、あの夜をやり直させて下さい。
一度でいいから、あたしを試してみて下さい」