部長とあたしの10日間

あの部長から誘ってくれるなんて。
しれっとした顔してるけど、昨日泥酔してあたしに迷惑をかけたことを案外気にしてるのかもしれない。


どこでもいいと言われると、逆にあまり冒険できない。
寒いからアウトドアって感じでもないし、まだイルミネーションを見る時間帯でもない。


結局散々迷った末、部長の家から一番近くのシネコンで最近公開されたばかりの話題のSF映画を見るので落ち着いた。


「女子が選ぶ定番のラブコメじゃなくていいのか?」


旬の俳優を使ったインスタ映えしそうな広告を指差しながら、どうせこういうのが好きなんだろ、と部長があたしをからかうように言う。


「そんなの選んだら、きっと部長寝ちゃうじゃないですか」


あたしが言うと部長はバレたか、と声を出して笑う。


「俺のことよく分かってきたな」


ああ、本当に罪作りなやつめ。
そんな少年のような顔で、嬉しくなるようなこと言わないでよ。


あたしたちが劇場内に入ったのは上映ギリギリで。
劇場に入ると、辺りはすぐに暗くなった。