愛子も気になり市村の横に立った。
よく考えたら、さっき襲われたばかりなのだ。ひょっとしたら、あの化け物女が周囲をうろつき、誰かを襲ったのかも。
その誰かの顔が、海と重なり……愛子は真っ赤になった。
「な、なんで……襲われたって構わないじゃない、別に」
「は? 誰が襲われたの?」
愛子はひとり言のつもりが、意外に大きな声だったみたいだ。市村が不思議そうに愛子の顔を覗きこむ。
「い、いえ……えっと、大丈夫かな、というか」
「ああ、カレシね。心配なら、携帯――してみたら?」
なるほど、と思い、手に取ったが……やめた。
どう言えばいいのだ。「あの女に襲われたんじゃないかと思って」などと言えば、まるで愛子が海のことを心配したみたいだ。
「いえ、いいんです。大の男だし……アレで少林寺拳法大学チャンピオンなんですよ」
「へぇ~。益々興味持っちゃうかも」
「あ……いえ、段外なんで、そんなに強くないんですけど」
愛子は、どっちなんだ! と自分で突っ込みを入れそうになる。
「あ。あー化粧ポーチ忘れちゃった。ねぇ、ちょっと取りに行って来ていい? 車に忘れちゃったみたい」
わざとらしく市村は声を上げ、愛子にウインクする。
「ひとりだったら、デ・ン・ワ、できるでしょ? 頑張って」
「セ、センセ! 別にそういう訳じゃ」
よく考えたら、さっき襲われたばかりなのだ。ひょっとしたら、あの化け物女が周囲をうろつき、誰かを襲ったのかも。
その誰かの顔が、海と重なり……愛子は真っ赤になった。
「な、なんで……襲われたって構わないじゃない、別に」
「は? 誰が襲われたの?」
愛子はひとり言のつもりが、意外に大きな声だったみたいだ。市村が不思議そうに愛子の顔を覗きこむ。
「い、いえ……えっと、大丈夫かな、というか」
「ああ、カレシね。心配なら、携帯――してみたら?」
なるほど、と思い、手に取ったが……やめた。
どう言えばいいのだ。「あの女に襲われたんじゃないかと思って」などと言えば、まるで愛子が海のことを心配したみたいだ。
「いえ、いいんです。大の男だし……アレで少林寺拳法大学チャンピオンなんですよ」
「へぇ~。益々興味持っちゃうかも」
「あ……いえ、段外なんで、そんなに強くないんですけど」
愛子は、どっちなんだ! と自分で突っ込みを入れそうになる。
「あ。あー化粧ポーチ忘れちゃった。ねぇ、ちょっと取りに行って来ていい? 車に忘れちゃったみたい」
わざとらしく市村は声を上げ、愛子にウインクする。
「ひとりだったら、デ・ン・ワ、できるでしょ? 頑張って」
「セ、センセ! 別にそういう訳じゃ」

