どこかで見たことがある。
愛子はそう感じたが、すぐには思い出せない。
男がその手に白い、長さ十センチくらいの棒を手にしたとき、不意に白露は愛子から飛び退いた。
「おまえ、月島のもんだねっ!」
「いかにも。貴様“白露”だな。俺は――」
白露と呼ばれた女は、硝子に爪を立てるような耳障りな奇声を発し、男の言葉を遮った。そして、一気に鉤爪で攻撃を仕掛けたのだ。白露の右手が男の体を引き裂いた!
と思った瞬間――男はひらりと跳躍した。
軽やかに側宙の要領で白露を飛び越え、何ごともなかったかの表情でアスファルトの上に着地する。
「――光崎蓮(こうさきれん)。巫女さまに仕える者だ」
白露を見据え、感情を抑えた低い声で、そう名乗ったのだった。
(か、かっこいい!)
ピンチも忘れ、愛子は思わず心の中で歓声を上げていた。
蓮が穿いているブラックデニムのボトムスは、張り裂けそうなほど太腿の筋肉が隆起している。だからこそ、あれほどの跳躍が可能なのだろう。
手にした白い棒を蓮は剣道の竹刀のように構えた。
愛子が、あんなに短くて戦えるの? そう思った瞬間だった。
「出でよ、光剣(こうけん)! ――はっ!」
短い気合と共に白い棒が輝いた。金色の光が吸い込まれるように集まり、棒の先端から伸び始める。
愛子はそう感じたが、すぐには思い出せない。
男がその手に白い、長さ十センチくらいの棒を手にしたとき、不意に白露は愛子から飛び退いた。
「おまえ、月島のもんだねっ!」
「いかにも。貴様“白露”だな。俺は――」
白露と呼ばれた女は、硝子に爪を立てるような耳障りな奇声を発し、男の言葉を遮った。そして、一気に鉤爪で攻撃を仕掛けたのだ。白露の右手が男の体を引き裂いた!
と思った瞬間――男はひらりと跳躍した。
軽やかに側宙の要領で白露を飛び越え、何ごともなかったかの表情でアスファルトの上に着地する。
「――光崎蓮(こうさきれん)。巫女さまに仕える者だ」
白露を見据え、感情を抑えた低い声で、そう名乗ったのだった。
(か、かっこいい!)
ピンチも忘れ、愛子は思わず心の中で歓声を上げていた。
蓮が穿いているブラックデニムのボトムスは、張り裂けそうなほど太腿の筋肉が隆起している。だからこそ、あれほどの跳躍が可能なのだろう。
手にした白い棒を蓮は剣道の竹刀のように構えた。
愛子が、あんなに短くて戦えるの? そう思った瞬間だった。
「出でよ、光剣(こうけん)! ――はっ!」
短い気合と共に白い棒が輝いた。金色の光が吸い込まれるように集まり、棒の先端から伸び始める。

