月宮天子―がっくうてんし―

「み……緑の化け物!?」


愛子と佐々木警部は声を揃えて叫んだのだった。


「あの、あんた……せとないかい?」


警部より若い分だけ早く立ち直った愛子は、恐る恐る尋ねる。


「その……呼び方はやめてください。せとうちかいです。愛子ちゃん」

「そっちこそ、愛子ちゃんはやめてよね! わたし、『子』が付いてるのがスッゴク嫌なんだからっ!」

「じゃあ……愛ちゃん?」

「それならいいけど」


ふたりのやり取りを聞きながら、ふいに我に返ったのだろう、佐々木警部が口を挟んだ。


「だから、君たちはどうしてそんなに余裕があるんだ? それとも――私がおかしいのか?」


最後には、佐々木警部も思わず自問自答だ。


「カイ! ところで……あんた、その格好ナニ?」

「えっと、自分ではよくわからないんですが……。どんな化け物になってます?」

「……」


何と問われても、ただ――緑だった。