悠さんが行きたいところってどこなんだろう?

そんなことを思っていると、最寄り駅から一駅の駅で降りた。


「ねぇ、どこ行くのー?」

「内緒〜」

内緒とか意地悪。


「「…あ」」


私と悠さんの声が重なった。


改札を出た先にいたのは…


「じ、塾長?!」

「あら!二人とも!天野さん久しぶりね」

「ど、どうも…」


合格発表日以来、塾行ってなかったからなぁ…。


「二人でお出かけ?いいわねー」

「塾長はここで何を?」

「大学時代の友達と久々に会ってたのよ」

「そうなんですか!」

「本当に二人付き合ってるのね…!もう天野さんの合格発表の日びっくりしちゃったもの!ふふふ」


たしかに…。

びっくりさせちゃったよね…。


「もう私の前で堂々と手を繋ぎながら塾に入ってくるんだもの。それで、付き合ってる宣言したんだよね〜」


なんか急に恥ずかしくなってきたぁ…。