【悠羅side】
「よーし、んじゃ行くか!」
「へ?!どこに?!」
「決まってんだろ。塾」
「…え?!」
「塾長に報告しなきゃだろ?」
「あ、そっかぁ!そういえば…今日報告しに行ったら、もう塾行けないんだなぁ」
「なに言ってんだよ!塾来れば勉強教えてやるから。横田先生とかも言ってたしさ」
「…え?!そうなの?!」
「ああ。だからいつでも来いよ。つーか、俺ん家来れば問題ないっしょ」
「…え?」
蘭の手のひらに合鍵を置いた。
「高校行っても、いつでも来い」
「…ありがとう!」
「ん。じゃあ行くぞ」
「うんっ!」
なぁ、蘭。
俺は蘭とこういう日が来るなんて思ってもいなかったよ。
蘭のこと…好きになって、バカみてぇって
んなわけねぇって…
何回も自分に言い聞かせた。
自分は講師であり、蘭は生徒。
絶対ないって思ってた。
初めて本気で好きなった人が、なんで生徒なんだって…何回も思った。
…だけど、初めて俺が好きって伝えて。
それに応えてくれて…。
本当に嬉しかった。
ありがとな、蘭。