【蘭side】


「蘭、もう時間ないわよ!」

「えっ、あ!本当だ。いってきます」

「気をつけてねー」


ヤバい。

悠さんが泊まりに来てたし、休みだと勘違いしてた!

しかも、今日は塾だし…。


学校遅刻しそう!


私は、はや歩きで家を出てから2つ目の角を曲がる。


……………?


電柱に寄りかかり仁王立ちをしている女の人が、こちらを睨んでいた。

な、なに!?

ってか、私知らない人だし。


走って素通りしようとした時…


「ちょっと」


手をつかまれた。

なに!?


「話あんだけど」

「…え、どなたですか?」

「篠原 未織。あんたが知ってるかは、知らないけど」


篠原…?未織…?

聞いたことない…。


「で、あんたに話があるの」

「学校間に合わないんで…」

「そんな時間かからないから」

「……」


目力半端ない。

長いつけまに、キラキラしたアイシャドウ。

茶髪の巻き髪に、ギラギラのグロス。

背も高いし、スタイルもいい。


本当にこの人何なの!?