違う、私は14歳だ。
先ほど目の端でとらえたリビングのカレンダーの年月は、それを示していた。
17歳だなんて、どうして思ったのだろう。
まだ少し寝ぼけているのかもしれない。
少し遅い朝食をとったあと、たまっていた宿題を消化する。
スポーツ特待クラスのため、普通クラスや特進クラスに比べたら少ないが、それでもそれなりの量の課題や宿題が出る。
今日のように一日部活がオフの日はとても珍しいけれど、結局勉強に追われてあまりゆっくりと休むことはできない。
それでも、家族と同じ家で過ごせる時間は、当時の私には貴重で大切な時間だった。
・・・・当時?
今の私にとって貴重であるはずなのに、どうして『当時』と思ってしまったのだろう。
今を懐かしむような、この胸の切なさはなんなのだろう。
なぜだろう、この既視感は。
まるで今日という日を、前にも経験しているかのような。
この普通の休日は、もう訪れないような、漠然とそんな気がした。