「うわぁぁぁっ!やめてくれぇ!」

静寂の続く夜。一人の男性は叫んだ。

少年に銃を向けられながら。雨がふる深い夜には似合わない程の綺麗な少年は、残酷な瞳をしたまま言った。

「さよなら」

パアンッッ

綺麗な質の良い声も時と場合によっては嫌な騒音にも聞こえるときがある。

まさにいまがそれなのだろう。

そして少年は強い雨に打たれながら言った。

「ごめんなさい…」

震えた、弱々しい声で。