「こ・こんなところでなにしてる!?」

ちょっと厳しそうなおじいさん。

手には銃。

「・・・ママがね?僕をね?ドライブだって言ってここまで連れてきてね?・・」

「そうかい、そうかい。」

おじいさんは手を差し出した。

その子はちょっと戸惑ったがすぐに手を握った。

「今日からうちに住むかい?」

その子は驚いた顔と喜んでいる顔と泣きそうな顔でぐちゃぐちゃだ。

「とりあえずお風呂入って、新しい洋服をあげよう。」

その子はおじいさんについていった。

家に着くころにはおじいさんにおんぶされながらその子は寝ていた。

「ちっ。小汚い子供を拾っちまったぜ。」

子どもはすやすやと天使のような顔で寝ている。

空は家の中に入ってしまった二人をみれない。

なので、おじいさんの声も空には聞こえない。

空は安心していた。

これでこの子が幸せになれる。

もうすぐ陽が昇る。

太陽さんの笑顔と空の笑顔であの子の祝福をしてあげよう。

どうかあの子が幸せになりますように。

どうかあの子が泣かないでいられますように。

どうかあの子がずっと笑えますように。

「おらっ!はやく起きろや!」

びっくりして目をぱちくりしている子ども。

「これから厳しくやるからな!」

にやにやしているおじいさん。

その子はびくびくしている。

しかし空はもう違う人達をみている。

あの子はもう幸せになったと思って。

空はときに残酷だ。

しかしいつかあの子の味方をしてくれるだろう。

今日も空はみんなをみている。

笑っていたり
泣いていたり
怒っていたり

あなたがみている空は今、どんな表情ですか?

私がみている空は笑っています。

ほら、上を向いて?

あなたが見ている空も笑っているはずだから。