ついに僕は上がってしまった。
「汚い部屋ですけど」
「いえ…全然…」
むしろ綺麗なのですが。
モノトーンで統一された家具家電。
無駄の無い家具配置。
それはさながらモデルルーム。
「今お茶入れますから待っててくださいね」
「あ!はい!え?いや僕がやりますから!」
「ダメです、お客様は座っててくださいね?」
「…はい」
誰かに世話になるのは少し気が引けるが
彼の家なので主導権は彼にあるので逆らえない。
凄く緊張しているせいか、何だかソワソワしてしまう。
一人暮らしの部屋ってこんな感じになのかな…。
静かな部屋に響くのは時計の秒針の音とお湯を注ぐ音。
「入りましたよ」
「あ、ありがとう…ございます」
.

