「わけわかんねー」


 「まあまあ先輩早く行きましょっ?」


 「わかったよ…」



 今日の冬麻は背が異様に高く、髪も栗毛のふわふわした髪型だからか



 とても中一には思えなかったし見えなかった。



 今日なんか特にドレープの白シャツに黒のベスト。



 左右柄の違うサルエルパンツにスニーカー。



 ストールを巻きハットを被り黒のショルダーバッグなんて。



 年に合わない服装してるから僕より年上だと錯覚する。



 周りの人間なんて最早景色以下に思えた。



 「今日の先輩可愛いから一人占めしたくなっちゃうな〜」



 "先輩"って



 …それさえ言わなければ僕だって錯覚したままだったのにな。











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