気がつくと私は泣いていた。

今まで泣いたことのほとんどなかった私は、あわてて枕元にあったティッシュで懸命に溢れ出る涙をおさえた。

数分後やっと涙がとまり、誰の曲なのだろうかと思いテレビ画面を見たが、すでに番組は終わり、次の番組が始まっていた。

この時私は初めて思った。

「あのグループの曲をもっと聴きたい。そして私もそんな風に人々に感動を与える歌手になりたい。」
と。