―――パクッ 口に入れた瞬間、 コーヒーの風味が口に広がった。 「に……苦ぁ~」 さっき、咄嗟に選んでしまったティラミスだけど…… 私、コーヒー苦手だった!! と、そんなこと今更気付いても 私の手元には、ほろ苦ティラミス。 「ぶっ……ぶふ……っ」 「何よ?」 「いや? 可愛いーなと思って。」 棒読みでそう言って、 久世くんは明らかに私をバカにする。 くっそー!! こんなことになるなら、 素直に苺ショート頼んでおけばよかったっ。