私の脳裏にチラつくのは、 昨日の放課後の出来事。 思い出すだけで顔が熱い。 「キス――――……」 そう言った久世くんの声が、余計に昨日のことを思い出させる。 うぁぁぁあ、 インフルエンザに罹った時以上の熱が私を襲う。 「―――……されると、思った?」 次の瞬間。 久世くんはそう言って、私の頬を軽くつまんだ。 「い、いひゃいれす……」 痛いです、と一言。 それだけ伝えるのが精いっぱいでした。