そして、私の体は一瞬ふわっと宙に浮いて、コンクリートで舗装された地面に降ろされた。 久しぶりの地面の感覚が足に伝わって、何故か少し安心する。 「ちょっと!!こんなことして良いと思ってるわけ!? コレ、誘拐事件よ!」 私はビシッと久世くんを指さしてそう言う。 それはまるで弾丸のような早口で。 ……地に足付いた私は、 ちょっぴり強気だ。 更に、周りに人が居ないこともあって、自然と声も大きくなった。