力強い彼に担がれた私は、自分の力ではもうどうにもできなくて。 しかも背の高い久世くんに担がれたもんだから…… 「高い!怖い!降ろしてーー!!」 「やだ。降ろしたら逃げるし、お前」 やだ。じゃないでしょー! そりゃー逃げるに決まってるでしょ!! そんな私たちは、下校中の生徒たちの注目の的だった。 皆、見てないで助けて!! ってそう叫びたかった。 ―――――叫ばないけど。 恥ずかしすぎて叫べないけど!!