重い足取りで教室に戻ると、そこはもうお祭り騒ぎだった。


久世くんの周りには、いつもよりたくさんの女子……そして、男子がいる。


とにかく彼の周りは、人だらけだった。




「ちょっと、雪花!!」



そんな彼の隣の席に行きたくなくて、教室の入り口で狼狽している私に聞きなれた声がかけられる。


その声の正体は―――……



「理央ーーー!!」



―――松本 理央(マツモト リオ)


美人で成績優秀な、私の親友だった。