八木邸に近くになると刀のぶつかり合う音が響いていた。

私はそのままその音の方へと駆け出した

「くそ!」
「がっははは!そんなものか?!」

苦戦している皆

そして、その奥には

「お梅さん…」

お梅さんは知っていたのだろうか

芹沢さんが暗殺される事を…

不意に私はお梅さんと目が合ってしまった

でも、お梅さんはさっきまで泣きそうだった顔をふわりと笑顔に変えた

見つかったことからも私はゆっくりと皆の背後に近づいた

雨はとても冷たく降り続いた

その中で聞こえたのは

「舞に殺されたかった」

と言う芹沢さんの言葉だった

私は静かに刀を抜き叫ぶように言った

「なら、貴方の願い、叶えてあげる」

「「「「「舞(さん)?!」」」」

「おぉ、待っていたぞ、舞」

芹沢さんはふわりと笑い刀を捨てた。

その隣にまたふわりと笑っているお梅さんも近づいてくる

「うちもあんさんになら」

芹沢さんは私に手招きをする。
私も黙ってそちらに近づいた

「ボソっ)お前は私達の可愛い娘だ。
出会ってくれて幸せだった――――」

そしていい終わると芹沢さんは斬れと呟いた

私は自分の刀を振り上げ二つの赤い花を咲かせた。

いつもなら美しくて仕方のないその花が今日はかすんで見えてしまった

赤い花は今日も美しく咲き誇った

「せ…
父上、母上…
私も出会えて幸せでした――――」

そう言い私は静かに自分の刀をおさめた