「舞?」
「はぃ?なんですか?」

芹沢さんの方を見て後悔した
何故、貴方はそんな泣きそうな顔をしているのですか?

「芹沢さん!私、お茶持ってきますね?
お梅さんは芹沢さんと待っていて下さいね?」

私は逃げるように部屋を後にし台所に向かった

台所はさっきの場所と違ってとても冷たかった。

お茶…入れなきゃ…

ヤカンに水を入れたそれを沸かした

「お?舞じゃねぇか!!」

背後から私の大好きな声が聞こえた

「新にぃ!!!」

私はその存在にタックルするかのように抱きついた

「おぉ!ビックリした…
って、舞?」

何かにすがりたくて押し殺していた何かが滑り落ちた

「ふぅ…くっ…」
「舞、何があったんだ?」

優しく背中を撫でる新にぃはあの日のようで凄く落ち着けた

「愛し合うって美しいって思っただけだよ!」

私はとびっきりの笑顔で顔を上げ新にぃを見た

「そぅか…。俺は妹、家族としてお前を愛してる」





…愛してる…





初めて言われたその言葉は私の想像を遥かに超えたとても幸せな言葉だった