「兄上はとても優しくて、いつもいつも私の味方だった。
兄上だけが味方だった。」

「だけ?」

「私は父上と母上に嫌われていた」

何でだ?

「私は化け物だから」

「化け物?」

「私はある力を持って生まれた。
兄上がなくて私にある。
その力はとても便利。
だけど周りからすれば気味が悪いもの。
何かあれば皆頼ってくる。
でも、用がなくなれば皆離れていく。
父上も母上も一緒だった。
けど、そんな私には兄上がいたから、
そんなのなんともなかった。
今だって兄上さえいてくれたら私が刀なんてもたなかった」



いてくれたら、それはつまり

「死んだのか?」

「殺された。
違うなぁ～殺したかな?」


殺したそれはお前が殺したのか?

「兄上は私をカバって殺された。
父上と母上に」