「そろそろ、行くか。」 立ち上がった俊也くんは私に向かって手を差し出す。 そっと手をのばし、その手に掴まって立ち上がると、 俊也くんはその手を離さないまま、歩き出した。 部活動をしていた人たちの視線を痛いほど感じて、 思わず手を離そうとする。 でも、その手は離されないどころか、 「わわ……!!」 ぐいっと引っ張られ、俊也くんと身体が近くなる。