間宮さんがどういう理由からあたしにこの前の花火の話をしてもいいと思ったのかとか、少し言っていた"仲間"のこととか。

考えれば考えるだけ、よく分からなくなる。


結局、あたしが間宮さんについて分かったことは、彼はあたしより年上だということだけ。

「高校のときの仲間」と言っていたから、少なくとも2つ上、今年で19歳にはなるはずだ。


だからといって、それが直接、間宮さんが抱えているものを知るきっかけ……というか、ヒントになるわけじゃない。

そしてあたしは、重ねるけれど、そこまで踏み込んではいけないことを知っている。





「……ああ、今度はあたしが眠れないかも」


特に意味はなかったのかもしれないけれど、一番気になっているのが、間宮さんがあたしにいろいろと話してもいいと思った理由だった。

体は疲れているはずなのに布団に入っても全然寝つけなくて、そればかりを考えてしまう。

あれだけ楽しみにしていた花火大会は、なんだか消化不良のまま。

間宮さんが買ってくれたりんご飴の甘酸っぱさが、いつまでも口の中に残っていた。