間宮さんが胸に抱えているものは、やはり大きい……とあたしは思う。

話の続きを聞くのを怖いと感じたことや、異様な胸騒ぎ、よくしゃべる素直な間宮さん……どれも今日が“花火大会”だからかもしれない。

けれど、それ以上、間宮さんに踏み込んではいけないことをあたしは知っている。

民宿に着くまでの間、あたしは間宮さんの顔を1度も見れず、ずっと足元ばかりを見ていた。





「じゃあ、寝るわ」

「あ、はい。おやすみなさい」


民宿に戻ると、間宮さんはすぐに、2階の潮風の間に上がっていった。

ここ数日、いつもより寝起きがいいみたいで、無理やり貸したCDの効果が少しはあるのかもしれない、なんて思うと、もやもやした気分ではいても、なんとなく嬉しい。


あたしは、間宮さんを見送ると部屋には行かず、談話スペースでしばらく休むことにした。

間宮さんが話してくれたことをあたしなりに整理したいと思っていたし、2人にも改めてお礼とお詫びをしなければと思って、それをメールで香ちゃんに送り、香ちゃんからハルに伝えてもらえるよう、お願いをした。


「どういうことだったんだろう……」


メールを送り終わると、テレビの画面をぼーっと眺めながら、思わず独り言が出る。