そのことを再確認できただけで、あたしには十分ハルを諦める理由になる。
ハルが大事に思うものは、あたしも大事に思いたいーーいろいろと悩んだりもしたけれど、その考え方は少しも変わらなかった。
それが、あたしが出した答えだ。
「またな、菜月」
「花火大会、よろしくね」
「うん、バイバイ」
それからしばらく、他愛のないことを3人でワイワイおしゃべりして、夕方。
ハルは門限がある香ちゃんを家まで送るのだそうで、2人は仲良く手を繋いで帰っていった。
うん、ラブラブでほっとする。
「あー、腹減った。飯は?」
「あ、間宮さん……っ!その様子だとぐっすり眠れたみたいですね!今用意しているところなので、もう少し待ってくださいね」
すると、2人と入れ替わるようにして、間宮さんが1階に顔を出した。
いつもの寝起きの様子に変わりはなかったけれど、起きて早々何かお腹に入れたいということは、満足なくらい眠れたらしい。
間宮さんから感じる雰囲気が柔らかくて、心なしか顔もすっきりして見える。
「じゃあ、先に風呂にすっかな」
「分かりました、もう30分もあれば用意できますので、ゆっくり入ってきてください」

