「でもさ、ちょっと会っただけだけど、間宮さんって確かに気難しそうだよなぁ。ここに泊まってもう1週間じゃん、笑ったりすんの?」
「ううん。それが失笑ばっかりで……。ちょこちょこ話すようにはなったんだけどね」
「そっかぁ……」
「うん」
間宮さんとのことを気にしていただけに、ハルもなんだかんだで浮かない顔をしている。
人にはそれぞれ持って生まれた気質があるし、一概にどうとは言えないのだろうけれど、間宮さんはけして、無愛想が過ぎたり人との関わりを億劫に思うタイプではなさそうな気がする。
……少し理由があるだけ。
第一、人と接する機会を極力避けたいと思うのなら、わざわざ民宿なんて選ばず、ビジネスホテルやカプセルホテルといった1人の空間を大事にできる場所を選ぶと思う。
「でもまあ、何が間宮さんの笑うツボか分かんないし、いろいろ試してみるのもありだよな」
「そうだよね」
ハルもその辺りのところは分かっているから、あたしのやりたいようにさせてくれる。
間宮さんにも香ちゃんにも、お互いに「幼なじみのようなもの」と紹介したのだけれど、あたしたちはしっかり幼なじみだった。
それを今、すごく感じる。

