それが、その状況ではどうすることもできなかったとはいえ、 闇の中で身動きが取れずに、ただただ仲間たちの無事を祈ることしかできなかった間宮さんの……あの日の真実。
悲しい、悲しい真実だ。
「彼の友人のほとんどは、家族を案じて家に戻ったり、おそらくは研修中の職場で逃げ遅れたのでしょう、いくら待っても無事を知らせる連絡は来なかったり、船を見に行ったりして、亡くなってしまったそうです。仲の良かった彼ら7人の仲間のうち、助かったのは、彼とたった1人。そのたった1人も、しばらくして自ら命を絶ってしまったと、話してくれました」
仲間たちの消息をたったひとりで調べ、それを間宮さんに語り、その後は少し落ち着き、前向きに頑張っていたそうなのだけれど、夏休みが近づいていた、ある日の早朝のこと……。
崖から転落し、意識がないところを、同じ仮設住宅の隣に住むおばあさんに発見され、遺書が残されていたことから、自殺だと断定された。
その後の彼の葬儀のあと、間宮さんがご家族から譲り受けたという遺書には、死のうと思ったきっかけ、つまりは、間宮さんに対する自分の気持ちに耐えきれなくなったことと、頑張っても報われない現実が記されていた。

