かけぬける青空は、きっと君とつながっている

 
リラックス!と伝えてくれた塩田さんのおかげだろう、思わず、クスリと笑ってしまう。

初めて間宮さんに会ったときのことは、衝撃的すぎて、今でも忘れられない。
 

あたしの夢を半ば強引に打ち明けさせられたときのことや、不眠症の解消のために、かなり的外れではあったけれど、おばあちゃんの落語や漫談のCDを大量に貸したときのことも。

一緒に見た花火大会や、擦れて痛かった足、欲しいと思って見ていたのに気づき、わざわざ買ってくれた、りんご飴の甘酸っぱさも……。

今でもはっきりと思い出せる。


「彼は言いました。あの真っ暗闇は恐怖でしかなかった、と。つい昨日まで確かにあった街並みが、すっかり闇に呑まれている様子を想像してみてください。恐怖なんて言葉では、けして片付けられなかったはずです。だからなのでしょう、今でも夜は眠れない、と言いました」


異様な暗さだったという。

どこを見渡しても闇しかなく、余震も相次ぎ、今はかろうじて命は助かっている状況だが、明日、明後日は死ぬかもしれない。

すぐそこに“死”があり、それをこんなにも強く感じたことは今までになかった、と、そういう内容の話を、あの日のあの浜辺で、間宮さんは静かに語ってくれたのだった。