一応のため、話す順番や筋道は頭に入れていたけれど、考えるより先に口が動いてしまい、いつの間にか、マイクに前のめりになっている。
横目に塩田さんの姿が目に入り、話しながら彼女を見ると、大きく肩を上下させ、深く息を吐いている様子から、リラックス!と伝えているのだと分かって、あたしは姿勢を正す。
「そのときは、私の全部を見透かされている気がして、すごく恥ずかしくて、ただただ悔しい思いばかりが先に立ってしまって、つい、思いっきり平手打ちをしてしまったんですけど、あとになって知っていくことになりました。……彼がそう吐き捨てた、本当の理由を」
“あの日”の核心に触れる。
間宮さんは当時、高校3年生。
進路は大学に決まっていて、間宮さんの友人たちもまた、大学や就職や家業の後継ぎなどで、すでに進路が決まっていた。
そんな最中、襲った悲劇。
長期休みのたびに少しずつ全国を旅して回ろうと楽しみにしていた間宮さんたちの計画は、立ち所に消えてなくなってしまった。
「その話を聞いたとき、やっと私は合点がいったんです。彼が夜に眠れない理由や、初めて彼に会ったときの違和感……とでもいうのでしょうか。バックパッカーみたいに大きなリュックを背負っているのに、全然日に焼けていなかったし、インテリっぽかったんですよね」

