「彼と出会ったのは、2年前、私がまだ高校生の頃でした。私の母の実家はこの町にあって、祖父はすでに他界しているため、祖母は古くから1人で民宿を営んでいるのですが、私は夏休みを利用して手伝いに来ていたんです」
そう。
間宮さんから教えられた命の重みや尊さ、儚さや、彼が体験し、その口から生々しく語ってくれた“あの日”のこと、負った計り知れない大きな傷や、悲しみ、辛さ、後悔、決意……。
間宮さんに出会ったことで、あたしの中で何がどう変わり、今のあたしに至っているのか。
実際の“あの日”を知らない、まだまだ半人前のあたしの言葉でどう伝えられるか、どこまで伝えられるかは、正直怖く、また、分からない。
でも、やっと伝えたいと思えたのだ。
今なら伝えられる、そんな気がして、間宮さんにラジオで話してもいいかと許可を取り、塩田さんにも、30分の番組の時間をあたしの話で丸々使うことを承諾してもらったのだった。
「何もかもが後ろ向きで、しっかり諦め癖がついてしまっている私に彼が言ったんです。『無駄に使ってんのな、命』って」
話しはじめると、思いのほかスラスラと言葉が出てきて、止まらないほどだった。

