かけぬける青空は、きっと君とつながっている

 
「すみません、あの……」

「謝んなよ。そろそろ俺も、そうしたいと思ってたところだったし。それに、前にも言っただろ、今しかできないことは後先なんか考えないで今やるって。今のがお前のそれなんだろ?」

「はい……」


あたしのか細い返事を聞くと、間宮さんはふっと柔らかく笑って、それから……。

まるで無数の星が降るように、何度も何度も、あたしに優しいキスの雨を降らせてくれた。

それは、2年前に止まった間宮さんとあたしの時間がゆっくりと動きだした瞬間にほかない。


「ひとつ、頼みがあるんだけど」

「なんですか?」


唇を離した間宮さんに言われ、そっと顔を上げると、恥ずかしいのか、ふいっとそっぽを向かれ、おまけに胸板に顔を押しつけられる。

何もそこまで照れなくても……。

むせかえるほどに間近で感じる間宮さんの匂いに包まれながら、けれど、それと同時に胸がキュンとするあたしは、少々変態だろうか。

すると、頭の上で間宮さんが囁く。


「航って名前で呼んで」

「航……さん」

「好きだよ、菜月」


それは、悲しく孤独で、ひどくひたむきな決意を固めて旅をしてきた間宮さんの心が、やっと休まる場所が見つかったことを意味していた。