かけぬける青空は、きっと君とつながっている

 
翌日。

漁協の取材が終わり、その足で郷土史料館の軽食スペースに向かって休憩していると、向かいに座った塩田さんがふいに言った。


「そういえば昨日、菜月ちゃんが帰ったあとにメールが届いたのよ」

「コトノハに、ですか?」

「うん、菜月ちゃん宛てだったみたいだからメールは開いていないけど、それが珍しいのよ。だいたい“ナツさんへ”って来るのに、それだけは“小菅菜月様”ってフルネームで件名にあってね……。珍しいこともあるものよね」


塩田さんはそう結論づけると、しかしどこか不思議そうな顔をしながら、アイスコーヒーに差したストローで中の氷をかき混ぜる。

……それは珍しい、かもしれない。

特に決まりはないけれど、コトノハに届くメールは、塩田さんが言ったように、だいたいが“コトノハ”や“ナツ”と件名に入っている。

ラジオ局のホームページ上では、あたしの顔写真付きでフルネームと簡単な経歴を紹介してはいるものの、きちんと“小菅菜月様”と宛てられたメールはそれが初めてだった。


「あ……っ!もしかして、菜月ちゃんがずっと待っている人からのメールだったりするんじゃない? うちのラジオ局、インターネットでも放送しているでしょう、どこかで聞いたのかも」


塩田さんがパチンと軽快に指を鳴らす。