かけぬける青空は、きっと君とつながっている

 
けれど、楽しそうに笑う反面、頑としておばあちゃんは教えてくれず、もやもやした気持ちで汗を流し、出かける支度を済ませると、間宮さんとともに、すぐに民宿を追い出される。

『航君についていけばいいから』

ということだったけれど、その間宮さんも、なんだかおばあちゃんの頼みをよく飲み込めていないようで、髪の毛をもさもさと触りながら、終始、不思議そうな顔を崩さない。


「……追い出されちゃいましたね。まったく、おばあちゃんってば、どういうつもりなんでしょう。あ、それと、昨日は部屋まで運んでくださってありがとうございました」

「お前、それと、って……。ついでみたいに言うんじゃねーよ、どれだけ重かったと思って……まあいいや、ばあさん、蛍が見たいんだと。なんでそう言い出したのかは分かんねーけど、見つけるまで帰ってくるな、って言われた」

「……はい? え、なんでそうなるんですか?」

「だから知らねーって。しわしわが考えることなんか。展望台の奥のほうにいるはずだ、だとさ。それ以外は教えてくれなかったし」

「……、……」


展望台へ向かう坂道を上りはじめながら、隣を歩く間宮さんと、やいやい言い合う。