聞いてみると、やはり今は夕方の5時を少し回ったところらしく、おばあちゃんは「よっぽど疲れていたんだろうさ」と、にこやかに笑う。
「何があったのかは聞かないけど、航君もさっき起きたばかりだし、菜月もよく寝られたみたいだから、もうよさそうだね」
「うん、ありがとうね、おばあちゃん」
寝て待つ、という、さすがはお母さんの親だと言わしめる待ち方をしていたおばあちゃんだったけれど、帰りが遅いあたしたちを心配なことに変わりはなかったのだろう、もうよさそうだね、と言った顔は、心からほっとした顔だ。
その顔に罪悪感を覚えつつ、しかしあたしは、さらに質問をしないわけにはいかなかった。
「……あたし、ちゃんと布団で寝てたみたいなんだけど、運んでくれたの、おばあちゃんじゃないよね? それに、間宮さんはまだいるの?」
昨日の間宮さんの様子から、民宿を出ていく気なのだ、と思っていたし、最悪、あたしが寝ている間に……ということも考えられた。
それに、きっと台所のテーブルで寝てしまったのだから、自力で部屋までは行けないはずだ。
立て続けに質問をしたあたしを見て、おばあちゃんはクスクスと笑いながら言う。

