かけぬける青空は、きっと君とつながっている

 
その後、母親から「よかったらこれもどうぞ」と言われ、高校の卒業式後、仲間7人で撮った写真も譲り受けることとなった。

秀斗に会いに行った際、ひとりひとりの顔を指しながら、震災後の仲間たちの行方を語っていったときに使っていた、あの写真だ。


「写真、ずいぶん、くたびれているでしょう。どこに行くにも一緒に持って行ってね、片時も離さなかったみたいなの。あなたや彼らのことが本当に大好きだったのね。だから、あなたに対する気持ちに耐えきれなくなったんだろうって、私たちの間では、そう解釈したの」

「本当にすみません、俺ばっかり……」

「いえ、そういう意味で言ったんじゃないわ。ただ、ひとつ分からないことがあって」


そこで言葉を区切ると、母親は写真を裏返し、ある文字を指で示しながら俺に問う。


「“あの約束、みんなで果たそう”って書いてあるけど、あなたたち、どういう約束をしていたの? それだけが分からなくて……。差し支えないことだったら、教えてもらえないかしら」


そうだ、確か……写真を撮って数日後、人数分プリントしたから、いつものところに集まろう、と秀斗から連絡があって、よく仲間で行っていた学校近くのファミレスに集まった。