でも、どうしても航を恨む気持ちが消えることはなくて、俺だって本当は夢も希望もあったのに、どうして航だけ着実に自分の道を進んでいるんだ、不公平だろ、っていつも思っていた。
要は、航が俺と同等か、それ以下の境遇じゃないと面白くない、ってことなんだと思う。
そういう考えから抜け出せないまま、仕事の面接に行ったって、受かるわけはないんだけど、もう死のうと思ったのは、俺だけが不採用になったことが、ひとつのきっかけではあった。
職安からの帰り、たまたま面接で一緒になったやつと街で会ったんだけど、そのときに、その話を聞いて、ああ、もうダメだ……って。
思っちまったんだよな。
俺が死にたいと思ったきっかけなんて、こんなもんだ。たかが面接に落ちたくらいで死ぬなんてバカだって、笑ってくれても全然いい。
むしろ、そのほうが嬉しい気がする。
そういうわけだから、俺は一足先にみんなのところに行くけど、航はちゃんと生きろよ。
できれば、俺が死んだことは航だけには知られずにいたかったけど、そういうわけにもいかないのは、俺だって分かってはいる。
だから、ここに書いておこうと思う。
いろいろと、ごめん。
元気で。
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