2枚目の最後をそう締めくくり、続く3枚目に移るわけだが、その書き出しはまず『これは遺書だから、本音を書いておくけど、ここから先は、どうか誤解しないで読んでほしい。』という前置きからはじまっていた。
何をどう誤解するのだろう、と疑問を感じながら次の行に目を移せば『大好きな仲間だからこそ、こういう気持ちになってしまった自分が許せなくなった』と、そう書いてある。
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本音を言うと、同じ被災者なのに、大学に通えたり、新しい家に移れたりしている航の恵まれた境遇が、羨ましくて羨ましくてたまらない。
航と俺の間には、一体どんな違いがあるっていうんだろうな。学力か? 運か? それとも、俺はそこまでの人間だったってことか……。
いったん、そんなふうに思ってしまうと、もうそれを変えることはできなかった。
日増しに航を恨む気持ちが大きくなってしまって、久しぶりに会えて嬉しいはずなのに、キツいことばかり言ったり、自分の不幸を振りかざしたり、本当に嫌な奴だったと思う。
航が遠くで頑張っているのは、俺なりに理解していたし、応援していたのは嘘じゃない。
外に出て働こうとか、俺も頑張ろうとか、そう思う力になっていたのも本当だ。

