「……秀斗ね、仲のよかった子たちの消息を調べ終わったあとは、抜け殻っていうのかしら、鬱状態みたいになっていたの。部屋に引きこもってばかりで、ずっと泣いていたわ」
「そうでしたか……」
「でも、秀斗は秀斗なりに、なんとか抜け出さなくちゃ、と思っていたのね。数ヶ月前、やっと航君に連絡を取ることができて、ここで話を聞いてもらったでしょう? そのあとは、比較的、落ち着いた状態が続いていたの」
「……まあ、最終的にこういう結果になったということは、少なくとも俺たちには、表向きはそう見えただけだった、というわけだが」
母親の言葉を引き継ぎ、父親は苦しげに言う。
秀斗の家族とは、今まで面識はなかったが、顔の輪郭は父親似で、目鼻立ちや全体の雰囲気は母親に似ていると話をしながら思った。
じっとうつむいたままの姉は、どちらかというと全体的に母親のほうに似ているように感じはするが、やはり秀斗と似ており、口元など、本当にそっくりだという印象を受ける。
紛れもなく秀斗はここにいたのだ、と、似た顔が3つ並んでいるのを見て、そう思う俺だ。
「……ねえ、話より、まずはあれを見てもらったほうがいいんじゃない? 遺書」

