かけぬける青空は、きっと君とつながっている

 
「斉藤さんは、すぐに仮設に戻り、警察に連絡をした。その後、駆けつけた警察が現場検証や秀斗君の部屋を見たところ、部屋には遺書らしきものがあったそうで、自殺でほぼ間違いないだろうとされて、父さんに連絡があった」

「そ、んな……」

「この前、航が秀斗君を訪ねたとき、ここの家の電話番号や、父さんの勤め先の番号も書いていったそうだな。警察の方がそのメモ書きを見つけてくださったそうで、家のほうに電話をしたが繋がらなく、父さんに一報が入った、というわけだったらしい。……そういうことだ」

「……、……」


すぐには言葉が出ないのは、至極当然だった。

秀斗が自ら命を絶っただなんて、ちょっとやそっとじゃ信じられず、こうして話を聞いた今でさえ、信じたくない気持ちのほうが大きい。

数ヶ月前に会ったときの秀斗は、確かに感情に波があり、おかしい、とは思った。

けれど、まさかそこまで思いつめていたとは思いもよらなかった、というのが、俺の今の正直な気持ちであり、どうしてあのときに気づいてやれなかったのだ、というのが、悔やんでも悔やみきれない、俺の最大の過失だ。


「遺書は、後日、警察の方に見せてもらうといい。父さんも、どうして秀斗君がそうなったのか詳しいところまでは聞いていないから」