かけぬける青空は、きっと君とつながっている

 
新幹線に揺られながら思うことは、どうして秀斗が……と、ただただ、そればかりだ。

けれど、その一方では、やはり現実味が少しもなく、新幹線に乗ってはいるものの、ふとした瞬間に、どうして俺は新幹線に乗っているんだったっけ、と自分の目的が分からなくなる。


ただ、数時間後。

新幹線を降り、大学のある街よりわずかに涼しい地元の空気を吸い込んだとたん、ぐっと胸にこみ上げるものがあり、駅舎を出て祖父の車を探している間に、また少し泣いてしまった。

胸の痛みは、親父からの留守電を聞いたときよりひどくなっていて、呼吸がうまくできない。

田舎は空気が澄んでいるはずなのに、息苦しくて仕方がなく、胸に手を当て、何度も深く息を吸い込んでは吐き、をひたすら繰り返した。


「じいちゃん、ごめんな、急に」


祖父の愛車である軽トラを見つけ、乗り込みながら声をかけると、祖父は少しばかり口元を緩め「彰君から話は聞いているよ」と言う。

彰とは親父のことなのだが、祖父も事情はだいたい分かっているようで、さっそく、家に向かって走りはじめた車の中で、親父は何時頃、家に帰ってこられるだろうかと聞いてみる。