かけぬける青空は、きっと君とつながっている

 
俺は報道関係には詳しくないし、実際のところはどうなのかも、全く分からない。

ただ、その考えには、あえて今はニュースにはしない、という配慮をしてくれていると思いたい俺の気持ちも含まれていることを、ここに、はっきりと明言しておきたいと思う。

秀斗が言った、知らないことは罪だ、という言葉は、きっとこのことだったのだろう。


「ほかにも黒い話はいろいろあるけど、話しても大丈夫そうだな。その様子だと」

「ああ、聞かせてほしい」


秀斗に深く相づちを打つと、俺は話を請い、その後、様々な話を聞くこととなった。

津波に飲まれて命を落としてしまった人のご遺体は、砂や泥を大量に飲み込んでおり、普通のご遺体とはかなり違うということ。

被災した食品加工場から流れ出た魚などの海産物は、気温が上がってくれば、いずれ悪臭を放ちはじめるだろうとし、衛生面での環境は、さらに劣悪になるだろうということ。

原発事故の影響で避難を余儀なくされた福島の沿岸部のほうは、しかしここの環境の比ではなく、遺体の捜索も全くできないままだろうということ、野ざらし、雨ざらしとなり、放置せざるを得ないご遺体はどうなるだろう……と、秀斗は遠い目をして言うのだった。